子供のための英語のはずが・・・?

東洋経済オンライに掲載された子供の早期英語教育に関する記事を読んで、感じたことをまとめました。

英語の幼児教育で、保護者が肝に銘じておくべきこと

東洋経済オンラインに2018年1月27日付で掲載された記事、”子どもに英語を習わせる親の「致命的な誤解」”を読みました。そこに“「早くから習えば、苦労することなく英語ができるようになる」は幻想にすぎない”とあったのですが・・・。

その真意については、少し説明が必要かなと思います。

記事でどんな「誤解」の話をしているのかと、気になって読んでみました。「幼い子供に無理やり英語を習わせようとしている親」に向けて書かれたものです。書かれている内容は、大きく分けて2つ。

主張 親が子供に英語を無理やり習わせることにはリスクがある。 子供には大人と異なる学び方が3つあることを知る。
親は自分と同じ苦労をさせたくなくて、または臨界期(言語習得の敏感期)を信じて、早くから英語を学ばせる。
  1. 「これはおもしろそうだ」「これは自分にとって意味がある」と自ら選択したものは、スムーズに学ぶ。
  2. 子どもは自分が主人公となって学ぶ。大人はそれをじっと見守り、まだ成果が出ていない段階で評価して子供のやる気をそいでしまわないよう気をつける。
  3. 子どもは心が安定したときに、人との関係性の中でモノを学ぶ。逆に心が不安定だと、新しい情報を取り込むことができない。
内容を伴った英語を身に付けるのに、臨界期は存在しないといっていい。むしろ何歳になっても努力さえすれば英語は身につけられる。 語学習得において、他言語を話す人とコミュニケーションを図りたい、というのは大事な視点。これは、子どもが比較的長く英語を学ぶモチベーションとなる。
結論 「早くから習えば、苦労することなく英語ができるようになる」は幻想にすぎない。 母語も外国語も習得の到達点はなく、一生かけて学ぶ価値のあるもの。

子どもに英語を習わせたいと考えている親は、それを理解したうえで、子どもが自ら「英語を学んでみたい」と思える環境を作るべき。

この記事では、具体的に英語でどのようなことができるレベルを指して、いわゆる「英語ができる」状態と見なしているのかわからないので、少々わかりにくいと感じました。もしこれが、仮に「日常会話ができる」レベルであれば、間違いなく大人になってからでも英語は身につけられます。それこそ、保護者世代のように日本人の先生による中学・高校での受験向きの英語授業を経験した人であっても、本人のやる気次第で英語を身につけることができます。

同時に、逆も言えます。早く始めたからと言って、誰もがもれなく英語ができるようになるわけではありません。英語で日常会話ができるようになるには、聞く、話すに重点を置いた総合的な英語教育と、長期に渡る効果的な英語学習が必要でしょう。つまり、「早く始める」=「英語ができるようになる」ではないのです。

では、結論1にもろ手を挙げて賛成なのかというと、そういうわけではありません。なぜなら、英語(言語習得)には早く始めることで苦労がずっと少なくて済む点も複数あるからです。

たとえば、「文法」や「英語と日本語」という認識がまだない段階で英語に触れ始めれば、子供は聞いたままの言い方で理解できるようになります。日本語にはない音の聞き分け、発音も自然と身につきます。そのうえで、英語での日常会話が普通にできるようになるには、「英語にたくさん触れる」「日常的かつ長期に渡って英語を使用する」などの条件を同時に満たさないと難しいのですが、文法や発音などに限って言えば、英語を覚えていく際、幼いうちほど本人の苦労が少なくて済むのは確かです。

つまり結論1は、

「早くから習えば、苦労することなく英語ができるようになる」は幻想にすぎない。ただしこの時期は、子供の英語へのハードルを低くしやすいので、学習方法によっては、聞き取り、発音、英語のままでの理解などにおいて、大きな効果が見られる「可能性」がある。

なら納得です。

結論2については同感です。1つの言語を身につけるのは難しく、母国語レベルに近いレベルの英語を話せるようになるのには大変時間がかかります。たとえば英語で日常会話ができるようになっても自分の仕事分野について話せない、仕事分野について話せるようになっても、医師に診察してもらう際には分からない言葉が出て来るなど、いつまで経っても知らない言葉や表現がたくさんあります。一生かけて身につけていくものと考えるべきでしょう。

ですから、英語を学ぶモチベーションは長く継続させる必要があります。子供自らが、楽しい、学びたいと思える環境づくりが大切です。

まとめ

子供のためにと早期に始める英語で一番肝心なことは、「英語が上手に話せるようになること」ではなく、「英語で楽しめるようになること」だと思います。子供が英語好きになったら、まずは一安心。その気持ちを上手にサポートして、小学校、中学校と、子供が自ら英語でもっといろいろとできるようになりたいと思えるような環境づくりを心がけてください。

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